設計・デザイン
ホームページのサイト構成・内容・ページ数の決め方
ホームページのサイト構成は、掲載したい情報をページへ分け、利用者が目的の内容へたどり着けるように整理した設計図です。最初に構成を決めると、制作途中のページ追加、内容の重複、分かりにくいメニューを減らせます。
小規模な会社・事業サイトでは5〜10ページ程度から始めることもできますが、最適なページ数は業種や目的で変わります。大切なのはページを多くすることではなく、一つのページに一つの明確な役割を持たせ、必要な情報へ自然につなぐことです。
このページでは、必要ページの洗い出し、サイトマップ、階層・URL、ワイヤーフレーム、各ページの内容までを順番に解説します。
このページで確認できること
- サイト構成、サイトマップ、ワイヤーフレームの違い
- ホームページに必要なページの洗い出し方
- 会社・店舗サイトで使われる基本ページ
- 目的・業種によって追加するページ
- 適切なページ数と階層・URLの考え方
サイト構成とは
サイト構成とは、ホームページ全体をどのページに分け、ページ同士をどのようにつなぐかを決めたものです。一般に、トップページを起点として、商品・サービス、会社情報、実績、問い合わせなどを階層で整理します。
たとえば小規模な会社サイトなら、次のような構成が考えられます。
トップページ
├─ サービス
│ ├─ サービスA
│ └─ サービスB
├─ 選ばれる理由
├─ 実績・事例
├─ 料金
├─ よくある質問
├─ 会社概要
└─ お問い合わせ
この構造はメニューを作るためだけのものではありません。利用者が疑問を解消する順番、検索エンジンがページを発見する経路、更新担当者が情報を管理する単位にも関わります。
サイトマップとワイヤーフレームの違い
似た言葉ですが、役割が異なります。
| 資料 | 表すもの | 主な目的 |
|---|---|---|
| サイトマップ | サイト全体のページ一覧と階層 | 必要ページ、メニュー、内部リンクを整理する |
| ワイヤーフレーム | 1ページ内の情報配置 | 見出し、文章、画像、ボタンなどの順番を決める |
| ページ仕様書 | 各ページの目的、対象者、内容 | 原稿・デザイン・実装の条件を共有する |
| XMLサイトマップ | 検索エンジンへURLを伝えるファイル | クロール対象URLと更新情報などを知らせる |
制作前に作る図としてのサイトマップと、検索エンジン向けXMLサイトマップは別物です。このページでは、主に人がサイト構成を検討するためのページ一覧を扱います。
必要なページを洗い出す方法
ページ名から考えるのではなく、利用者の疑問と運営側の目的を並べます。
1.ホームページの目的を決める
問い合わせ、予約、販売、採用、信頼形成など、最も重要な目的を一つ決めます。目的が複数ある場合は優先順位を付けます。
2.対象者の疑問を書き出す
初めてサイトを見る人が、依頼・購入・来店の前に知りたいことを並べます。
- 何を提供しているか
- 自分が対象か
- どのような悩みを解決できるか
- 料金はいくらか
- 他社との違いは何か
- 実績や信頼できる根拠はあるか
- 利用の流れはどうか
- どこで、いつ利用できるか
- 問い合わせ後に何が起きるか
- 運営している会社・人物は誰か
3.保有している情報を確認する
会社案内、営業資料、パンフレット、見積書、よくある質問、顧客からの相談、写真、実績などを集めます。既存資料をそのまま掲載せず、Webで探しやすい単位へ分けます。
4.疑問をページへまとめる
似た疑問を一つのページへまとめ、検索・閲覧目的が大きく異なるものは分けます。たとえば「サービス内容」と「会社概要」は別ページにし、サービスの詳しい条件が複数あるなら個別ページへ分けます。
5.公開時と将来追加を分ける
すべてを最初から作る必要はありません。「公開に必須」「公開後3か月以内」「実績が増えてから」などに分けます。中身の薄いページを数だけ増やさないことが重要です。
基本ページの構成例
トップページ
トップページはサイト全体の入口であり、すべてを詳しく説明するページではありません。次の内容を短く示し、詳しいページへ案内します。
- 誰向けの何の会社・サービスか
- 解決できる課題・提供価値
- 主な商品・サービス
- 選ばれる理由・特徴
- 実績・利用者の判断材料
- 料金・利用の流れへの入口
- 会社・運営者情報
- 問い合わせ・予約などの主要な行動
トップページだけで完結させる場合もありますが、内容が増えるほど別ページへ分けた方が探しやすくなります。
商品・サービス
商品・サービスページでは、名称だけでなく、対象者、課題、提供内容、特徴、料金、利用方法、注意点を説明します。
複数サービスを一つの長いページへ詰め込むと、各サービスの違いが分かりにくくなります。サービスごとに対象者、検索意図、料金、実績が異なる場合は、一覧ページと個別ページに分けます。
会社・店舗・運営者情報
会社名、所在地、代表者、連絡先、事業内容、営業時間、地図など、利用者が実在性と責任主体を確認できる情報を掲載します。
個人事業主や専門家サイトでは、プロフィール、資格、経歴、方針、対応地域なども判断材料になります。掲載する実績や資格は、現在の事実を確認しておきましょう。
実績・よくある質問
実績・事例は、依頼前に完成後のイメージを持ってもらうページです。守秘義務、掲載許可、数値の根拠に注意し、課題、対応、結果を具体的に説明します。
よくある質問は、料金、納期、対象、準備、キャンセルなどの繰り返し聞かれる疑問をまとめます。本文に必要な説明をFAQへ追いやらず、FAQだけを読んでも誤解しない回答にします。
問い合わせ・法定表示
問い合わせページには、フォーム、電話、メールなどの連絡方法と、対応時間、返信目安、送信後の流れを記載します。個人情報を取得する場合はプライバシーポリシーが必要です。
EC、通信販売、医療、士業などでは、特定商取引法に基づく表示、広告規制、資格・責任者情報などが必要になる場合があります。業種と機能に応じて確認します。
目的・業種で追加するページ
| 目的・業種 | 追加を検討するページ |
|---|---|
| 会社の信頼形成 | 沿革、代表挨拶、経営理念、拠点、取引実績 |
| 問い合わせ獲得 | 課題別ページ、料金、利用の流れ、事例、FAQ |
| 店舗・来店 | メニュー、料金、スタッフ、アクセス、営業時間、予約 |
| 採用 | 募集要項、仕事内容、社員紹介、働く環境、選考の流れ |
| 専門サービス | 資格、対応分野、料金、相談の流れ、監修・方針 |
| 医療 | 診療内容、医師紹介、診療時間、アクセス、受診案内 |
| 建設・工務店 | 施工事例、工法、性能、保証、家づくりの流れ |
| EC | 商品カテゴリ、商品詳細、カート、利用ガイド、法定表示 |
| 予約サービス | メニュー、担当者、空き状況、予約、変更・キャンセル |
| NPO・団体 | 活動内容、成果、会計・年次報告、寄付、参加方法 |
業種別ページは、単に業種名を入れ替えた文章にしません。その業種の利用者が判断する情報、法律・広告規程、運用方法を反映します。
適切なページ数の考え方
ページ数はサイトの目的と情報量から決めます。
| 規模の目安 | ページ数例 | 向きやすい構成 |
|---|---|---|
| 1ページ | 1 | イベント、特定商品、簡易プロフィール |
| 小規模 | 5〜10 | 小さな会社・店舗の基本案内 |
| 中規模 | 10〜30 | 複数サービス、事例、採用などを持つ企業 |
| 大規模 | 30以上 | 多数の商品・拠点・業種・コンテンツを管理 |
この数字は目安であり、検索順位や信頼性がページ数だけで決まるわけではありません。1ページに異なる目的の内容を詰め込みすぎると読みにくくなり、逆に説明が数行しかないページを細かく分けると価値の薄いページが増えます。
分ける基準は次のとおりです。
- 検索・閲覧目的が別か
- ページ固有の十分な説明があるか
- メニューや内部リンクから到達する価値があるか
- 今後個別に更新する必要があるか
- 料金、事例、FAQなど別の判断段階か
- 同じ内容を別ページで繰り返していないか
階層とURLを設計する
ページを内容のまとまりごとに整理し、深すぎない階層にします。利用者がトップから何回クリックしたかだけでなく、関連ページ同士を直接リンクします。
URLの例は次のとおりです。
/service/
/service/web-design/
/service/maintenance/
/company/
/case/
/contact/
URLは短く、内容を推測しやすく、一貫したルールで付けます。Google Search Centralも、利用者が理解しやすいシンプルで論理的なURL構造を推奨しています。
確認する点は次のとおりです。
- 半角英数字とハイフンを基本にする
- 同じ階層で命名ルールを統一する
- 日付や担当者名など変わりやすい要素を不要に入れない
- 公開後に安易にURLを変更しない
- 重複URLを作らない
- URLを変更する場合は旧URLから転送する
階層とメニューは一致しなくても構いませんが、利用者が現在地と関連ページを理解できるよう、パンくずや見出しを整えます。
サイトマップを作る手順
表計算ソフトや図作成ツールを使い、次の項目を一覧化します。
| ID | ページ名 | URL | 目的 | 主な対象者 | 親ページ | 公開優先度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| P01 | トップ | / |
サイト全体を案内 | 初めての訪問者 | なし | 必須 |
| P02 | サービス一覧 | /service/ |
選択肢を示す | サービス検討者 | トップ | 必須 |
| P03 | サービスA | /service/a/ |
内容・料金を説明 | サービスA検討者 | サービス | 必須 |
手順は次のとおりです。
- 利用者の疑問と保有情報を洗い出す
- 似た内容をまとめて仮ページ名を付ける
- 必須ページと将来追加を分ける
- 親子関係とメニューを決める
- URLを付ける
- 各ページの目的と対象者を一文で書く
- 重複・不足・孤立を確認する
サイトマップを作った後、すべてのページがサイトの目的へ必要かを見直します。
ワイヤーフレームを作る手順
ワイヤーフレームは、色や写真の細部を決める前に情報の順番を示す図です。紙に手書きでも作れます。
- ページの目的を一つ決める
- 訪問者が最初に知りたい結論を書く
- 必要な見出しと説明を並べる
- 写真、表、事例、FAQなどの位置を決める
- 次に読むページと必要な操作を決める
- ヘッダー、パンくず、フッターを加える
- スマートフォンでの縦方向の順番を確認する
トップページなら、次のような順番が考えられます。
ヘッダー・メニュー
誰向けの何のサイトか
主要な商品・サービス
利用者の課題と解決方法
特徴・選ばれる理由
実績・事例
料金・利用の流れ
会社・運営者情報
FAQ
問い合わせ方法
フッター
すべてのサイトで同じ順番にする必要はありません。利用者が判断する順番を基準にします。
各ページの内容と役割を決める
ページごとに簡単な仕様書を作ります。
- ページID・URL
- ページ名・H1
- このページの目的
- 主な対象者と利用場面
- 読者の疑問
- 読後に理解できること
- 必要なH2・H3
- 使用する写真、表、事例、FAQ
- 関連ページとリンク先
- 更新担当者・更新頻度
- 公開前に確認する事実・法令
一つのページで「会社説明」「サービス詳細」「採用」を同時に完結させようとすると、対象者が混ざります。ページの目的を一文で説明できない場合は、内容を分けるか優先順位を見直します。
重複ページ・孤立ページを防ぐ確認
重複ページ
異なるURLで同じ疑問へほぼ同じ回答をすると、利用者がどちらを読めばよいか分かりません。
- タイトルとH1だけ違い、本文がほぼ同じ
- 地域名・業種名だけを置き換えたページ
- サービス一覧と個別ページが同じ説明
- FAQと本文が重複し、どちらも不十分
- 古い料金・新しい料金ページが両方残る
統合するか、各ページの固有の役割・対象者・内容を明確にします。
孤立ページ
サイト内のどこからもリンクされないページは、利用者も検索エンジンも発見しにくくなります。Googleはリンクをページ発見や関連性理解に使用すると案内しています。
すべての重要ページについて、次を確認します。
- グローバルメニュー、一覧、本文のいずれかから到達できる
- 親ページと子ページが相互に関連付けられている
- アンカーテキストからリンク先の内容が分かる
- サイトマップページに掲載されている
- XMLサイトマップへ正規URLが含まれる
- 削除・URL変更ページのリンクが残っていない
サイト全体の目的と要件はホームページの目的・企画・要件定義、見た目の設計はホームページデザインの基本で整理します。
よくある質問
小さな会社のホームページは何ページ必要ですか
トップ、サービス、会社概要、料金・流れ、問い合わせなど5〜10ページ程度が一つの目安です。業種、サービス数、実績、採用、法定表示などによって追加します。
1ページのホームページではSEOに不利ですか
1ページだから自動的に不利とは限りませんが、異なる検索意図や詳しい情報を一つへ詰め込むと、各テーマを十分に説明しにくくなります。固有の内容がある場合は個別ページを検討します。
サイトマップは制作前と公開後のどちらで作りますか
制作前にページ一覧として作り、公開後は変更に合わせて更新します。検索エンジン向けXMLサイトマップは公開環境で別に生成・送信します。
URLに日本語を使ってもよいですか
使用できますが、共有時に長いエンコード文字列になる場合があります。運用しやすさを考え、半角英数字とハイフンで統一する方法も検討します。
ワイヤーフレームはすべてのページに必要ですか
重要ページや固有レイアウトのページは作ると効果的です。共通テンプレートを使うページは、代表的な一覧・詳細ページを作り、ほかはページ仕様書で管理する方法があります。
参考情報
- Google Search Central「URL Structure Best Practices」:https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/url-structure(確認日:2026-07-14)
- Google Search Central「SEO Link Best Practices」:https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/links-crawlable(確認日:2026-07-14)
- Google Search Central「サイトマップについて」:https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/sitemaps/overview(確認日:2026-07-14)