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ホームページ作成に必要なものと準備手順
ホームページを公開するために最低限必要なのは、「データを置く場所」「サイトの住所」「掲載する内容」の3つです。Web制作の言葉では、それぞれ「サーバーまたは作成サービス」「ドメイン」「文章や画像などのコンテンツ」と呼びます。
事業用サイトでは、SSL、会社・サービス情報、連絡方法、利用する素材の権利、公開後の管理体制も準備します。自作でも外注でも必要になるものを、実際に確認できる順番で整理します。
公開前の重要項目
- ホームページの公開に必要な契約と設定
- 制作前に揃える文章・写真・事業情報
- 問い合わせ、予約、販売で追加するもの
- 制作を依頼するときに渡す資料
- 準備漏れを防ぐチェック項目
ホームページ作成に必要なもの一覧
最初に、全体を一覧で確認します。作成ツールを利用する場合は、サーバーやSSLがプランに含まれることがあります。
| 分類 | 必要なもの | 用途 | 準備する人の例 |
|---|---|---|---|
| 公開環境 | ドメイン | サイトのURLとして使う | 運営者または制作者 |
| 公開環境 | サーバーまたは作成サービス | ページのデータを保存・配信する | 運営者または制作者 |
| 安全性 | SSL | ブラウザーとサイト間の通信を暗号化する | サーバー・サービス側で設定 |
| 事業情報 | 名称、住所、営業時間、サービス内容など | 運営者と提供内容を伝える | 運営者 |
| 文章 | 各ページの見出しと本文 | 内容を分かりやすく説明する | 運営者、制作者、ライター |
| 画像 | 写真、ロゴ、図版 | 商品・サービスや雰囲気を伝える | 運営者、撮影者、デザイナー |
| 連絡手段 | 電話、メール、フォーム、予約など | 利用者からの連絡を受ける | 運営者と制作者 |
| 管理 | 契約情報、アカウント、更新担当者 | 公開後も安全に運用する | 運営者 |
すべてを最初から完璧に揃える必要はありません。ただし、事業の基本情報、作成目的、必要ページ、素材の担当者を決めずに制作を始めると、途中で判断が止まりやすくなります。
公開環境として必要なもの
ドメイン
ドメインは、example.comのようにWeb上の場所を示す名前です。事業用サイトでは、サービス共通のURLではなく独自ドメインを使うと、作成方法を変更しても同じURLを継続しやすくなります。
候補を決めるときは、次の点を確認します。
- 事業名やサービス名との関係が分かるか
- 口頭でも伝えやすく、入力間違いが起きにくいか
- 既存企業や商標と混同しないか
- 取得費だけでなく更新費も確認したか
- 契約者と管理用メールアドレスを記録したか
ドメインは先着順で取得されるため、候補が必ず使えるとは限りません。一方、一度決めたURLの変更は、名刺、広告、検索評価、メールアドレスなどへ影響します。焦って取得せず、名称と運用方法を確認してから契約します。詳しくはホームページ用ドメインの取得方法もあわせてご覧ください。
サーバーまたは作成サービスの契約
WordPressやHTMLファイルを使う場合は、通常、レンタルサーバーを契約します。Wix、STUDIO、Jimdoなどのクラウド型作成サービスでは、公開用サーバーがサービスに含まれるため、別途レンタルサーバーを用意しないのが一般的です。
契約前に確認したい主な項目は次のとおりです。
- 使用する作成方法に対応しているか
- 独自ドメインを接続できるか
- SSL、バックアップ、復元機能があるか
- 必要な容量と転送量を満たすか
- メールアドレスを作成できるか
- サポート窓口と対応時間
- 上位プランへの変更、解約、データ移行の条件
- 初期費用、月額・年額、更新時の料金
「無料で始められるか」だけで決めず、必要な機能を使った場合の契約期間全体の費用を確認します。レンタルサーバーの選び方はホームページ用サーバーの基礎知識で解説します。
SSL
SSLは、利用者のブラウザーとサーバーの間で送受信する情報を暗号化する仕組みです。設定されたサイトは通常、URLがhttps://で始まります。
現在は、レンタルサーバーや作成サービスで無料SSLを利用できる場合が多くあります。ただし、契約しただけで自動的に正しいURLへ統一されるとは限りません。次の点も確認します。
https://でページが表示されるhttp://へアクセスするとhttps://へ転送される- ページ内の画像やファイルも安全なURLで読み込まれる
- 証明書が自動更新される
問い合わせフォームがないサイトでも、通信の安全性と利用者の安心のためにSSLを設定します。
ページ作成に必要な情報
事業・サービスの基本情報
サイトを見た人が「誰が、何を、誰に提供しているか」を理解できる情報を揃えます。
- 会社名・屋号・店舗名と正式な表記
- 代表者名、所在地、設立年などの会社概要
- 商品・サービスの名称、内容、対象者
- 特徴と、他の選択肢との違い
- 料金、利用条件、提供地域
- 実績、資格、受賞歴などの根拠資料
- 購入・予約・相談までの流れ
- よくある質問と注意事項
最初から宣伝文を書こうとせず、事実情報を箇条書きで集めると整理しやすくなります。料金や営業時間など、変更の可能性がある情報には更新担当者を決めます。
掲載する文章
最低限、トップページと各ページで「誰に向けたページか」「何が分かるか」「次に何をすればよいか」が伝わる文章を用意します。
文章を自分で書く場合も外注する場合も、次の材料が必要です。
- 顧客からよく聞かれる質問
- 商品・サービスの具体的な内容
- 対応できること、できないこと
- 利用するメリットと注意点
- 料金の条件や追加費用
- 事例として公開できる事実
- 専門用語の正確な説明
他社サイトの文章を言い換えて作るのではなく、自社が実際に提供している内容をもとにします。文章作成を依頼する場合も、制作者が事実を推測しないよう、一次情報を渡しておきましょう。
写真・ロゴ・図版
写真は、会社や店舗の外観・内観、スタッフ、商品、作業風景など、利用者が判断するために必要な場面から揃えます。ロゴは、Webで使用できる画像形式と、可能であれば背景が透明なデータを用意します。
確認したい点は次のとおりです。
- 画像がぼやけない十分な大きさか
- 明るさや色が実物とかけ離れていないか
- Webサイトへの掲載許可を得ているか
- 写っている人物や顧客情報に問題がないか
- 素材サイトの利用条件を守っているか
- 制作者から元データと利用範囲を受け取れるか
スマートフォン写真でも使用できますが、暗い室内、強い逆光、縦横比の不統一などで使いにくい場合があります。必要な写真の一覧と用途を決めてから撮影すると、撮り直しを減らせます。
連絡先・営業時間・所在地
連絡方法を載せる場合は、利用者に公開してよい情報と、実際に対応できる時間を確認します。
- 公開用の電話番号とメールアドレス
- 問い合わせ受付時間
- 営業日・定休日・臨時休業の更新方法
- 郵便番号、住所、建物名、店舗への行き方
- 駐車場や最寄り駅などの案内
- 対応地域、オンライン対応の可否
個人事業主が自宅住所や個人の電話番号を掲載する場合は、公開後に誰でも閲覧できることを理解したうえで判断します。特定商取引法などに基づく表示が必要な事業では、必要事項を個別に確認しておきましょう。
独自ドメインのメールを使う場合は、独自ドメインメールの作成と設定も確認します。
目的別に追加で必要なもの
問い合わせを受ける場合
フォームを設置するなら、入力項目だけでなく、受信後の対応まで決めます。
- 取得する情報と、その利用目的
- 必須項目と任意項目
- 送信先メールアドレス
- 自動返信があるかどうかと内容
- 迷惑送信対策
- プライバシーポリシー
- 保存場所、閲覧できる担当者、削除方法
- 送信テストと、届かない場合の連絡手段
必要以上の個人情報を集めないことも重要です。問い合わせの判断に不要な住所、生年月日などを、慣例だけで必須にしないようにします。
予約を受ける場合
予約機能では、予約枠を表示するだけでなく、変更・キャンセルや当日の運用を考えます。
- 予約できるサービス、時間、担当者、場所
- 受付開始・締切時間
- 定員、準備時間、休憩時間
- 変更・キャンセルの条件
- 確認メール、リマインド通知
- 外部カレンダーとの連携
- 事前決済があるかどうか
- 顧客情報の管理方法
既存の予約サービスを使う場合は、初期費用、月額、決済手数料、データの取り出し、解約条件も確認します。
商品を販売する場合
ECサイトでは、商品ページだけでなく、注文から返品までの業務全体を準備します。
- 商品名、説明、価格、画像、在庫
- 税、送料、配送地域、発送予定
- 決済方法と決済事業者
- 注文確認、発送通知、キャンセル・返品対応
- 特定商取引法に基づく表示などの必要ページ
- 利用規約、プライバシーポリシー
- 在庫・顧客・売上データの管理方法
- セキュリティと不正注文対策
扱う商品、販売方法、対象地域によって必要な表示や手続きが変わります。法律や決済要件については、使用するサービスの公式情報と専門家による確認を優先しましょう。
制作を依頼するときに準備する資料
制作会社やフリーランスへ依頼する場合、完成形の指示書を自分だけで作る必要はありません。ただし、次の情報があると、提案と見積もりの条件を揃えやすくなります。
| 資料・情報 | 書く内容 |
|---|---|
| 制作の背景 | なぜ今ホームページが必要なのか |
| 目的と目標 | 認知、問い合わせ、採用、予約など何を目指すか |
| 対象者 | 誰が、どのような状況で見るか |
| 必要ページ | トップ、会社概要、サービス、アクセスなど |
| 必要機能 | 更新、フォーム、予約、検索、決済など |
| 支給素材 | 原稿、写真、ロゴ、会社案内など |
| 参考サイト | 好みだけでなく、参考にする部分と理由 |
| 予算 | 税込総額の上限、初期費用と継続費用 |
| 希望時期 | 公開希望日と、その日である理由 |
| 公開後の担当 | 自社更新か、保守を依頼するか |
既存サイトを作り直す場合は、現在のURL一覧、アクセスデータ、ドメイン・サーバーの契約情報、CMS管理画面、残したい文章や画像も確認します。パスワードを資料へ直接書いて広く共有せず、安全な受け渡し方法を決めておきましょう。
サイトの目的はホームページの目的・企画・要件定義で、ページ一覧はホームページのサイト構成とページ数で整理できます。見積もり用のまとめ方はホームページ作成の見積もりガイドもあわせてご覧ください。
著作権・個人情報・掲載許可の確認
ホームページに使う文章、写真、イラスト、ロゴ、動画、地図、音源などには、権利や利用条件があります。「検索で見つかった」「SNSに公開されている」という理由だけでは、事業サイトへ転載できません。
公開前に、次を確認します。
- 自社で作った素材か、第三者の素材か
- 第三者の素材なら、Web掲載と商用利用が許可されているか
- 加工、切り抜き、再配布、利用期間などの条件
- 人物、顧客名、取引先ロゴ、事例の掲載許可
- 制作者へ依頼した文章・デザイン・写真の利用範囲
- フォームやアクセス解析で取得する情報と利用目的
- プライバシーポリシーの内容が実際の取得・利用方法と一致しているか
素材の出典URL、購入記録、許諾メール、契約書は、公開後も確認できるよう保存します。著作権や個人情報の扱いは個別事情で変わるため、判断に迷う場合は文化庁・個人情報保護委員会の情報を確認し、必要に応じて専門家へ相談してみましょう。
準備不足を防ぐチェックリスト
公開環境
- □ 作成方法を決めた
- □ 使用できるドメインを確認した
- □ ドメインの契約者・更新担当者を決めた
- □ サーバーまたは作成サービスを選んだ
- □ SSL、バックアップ、解約・移転条件を確認した
- □ 管理用アカウントと復旧方法を記録した
掲載内容
- □ サイトの目的と対象者を一文で説明できる
- □ 必要なページの一覧がある
- □ 会社・店舗・サービスの事実情報を揃えた
- □ 各ページの原稿担当者と期限を決めた
- □ 必要な写真・ロゴ・図版の一覧がある
- □ 料金、営業時間、住所、連絡先を確認した
機能・運用
- □ 問い合わせ・予約・販売に必要な機能を決めた
- □ 個人情報の取得項目と利用目的を整理した
- □ 公開後の更新・保守担当者を決めた
- □ 月額・年額費用を把握した
- □ アクセス解析と検索状況を確認する方法を決めた
権利・確認
- □ 文章・画像・ロゴの利用権限を確認した
- □ 人物・顧客・取引先の掲載許可を得た
- □ 必要な法定表示とポリシーを確認した
- □ 公開前の確認者と承認期限を決めた
準備が揃ったら、ホームページ作成の方法と手順に沿って、企画、構成、制作、公開へ進みます。
参考情報
- 文化庁「著作権について知っておきたい大切なこと」(確認日:2026-07-14)
- 文化庁「著作権契約マニュアル」(確認日:2026-07-14)
- 個人情報保護委員会「個人情報保護法等」(確認日:2026-07-14)