目的・業種別
クリニック・病院・医療機関のホームページ作成
クリニックや病院のホームページは、患者が「自分の症状で受診できるか」「いつ、どこへ行けばよいか」「予約や初診に何が必要か」を確認する場所です。診療内容、診療時間、医師、費用、アクセス、予約方法などを、体調が悪いときでも迷いにくい順番で掲載します。
医療機関のウェブサイトは、掲載内容や誘引性などにより医療広告規制の対象となります。一般的なサイト制作の知識だけで広告表現の可否を判断せず、厚生労働省の現行ガイドライン・Q&A・事例解説書と、医療機関側の専門確認に基づいて作成・更新することが大切です。
公開前の重要項目
- 医療機関ホームページの役割
- 患者が最初に確認する情報
- 診療内容、医師、初診、アクセスなどの必要ページ
- 予約・問診・多言語・アクセシビリティの要件
- 医療広告で確認する表現と情報
医療機関ホームページの役割
主な役割は、受診前の案内、診療内容の理解、予約・問い合わせ、所在地・交通手段の確認、継続的なお知らせです。集患だけを目的にせず、患者が適切な受診先と行動を判断するための情報提供を優先します。
トップページでは、診療科・主な診療内容、診療時間、休診、所在地、予約方法へ短い経路で移動できるようにします。発熱などで入口・時間が異なる場合や、救急対応を行わない場合は、通常の受診案内と区別します。
広告表現が適切でも、古い診療時間や終了した診療を残せば患者へ不利益が生じます。正確性と更新速度も、医療機関サイトの品質です。
患者が最初に確認する情報
患者は、症状や検査名ではなく「自分は受診対象か」という言葉で探すことがあります。診療科名と、対応する主な相談・検査・治療の範囲を結びます。ただし、ウェブサイトだけで自己診断や緊急度判断を促す表現は避けます。
すぐ確認できるようにしたい情報は次のとおりです。
- 診療科・対応する主な診療内容
- 診療日、受付時間、休診、臨時変更
- 初診・再診、予約の要否
- 所在地、入口、交通、駐車場、バリアフリー情報
- 持ち物、受付方法、支払い方法
- 緊急時・時間外に対応できる範囲
- 電話・オンラインなどの問い合わせ方法
スマートフォンで電話番号だけを大きく見せるのではなく、電話受付時間や、予約・緊急連絡などの目的も示します。
必要な基本ページ
診療内容・診療時間
診療科・診療内容ごとに、対象、診察・検査のおおまかな流れ、予約、費用の扱い、受診時の注意を整理します。保険診療と自由診療が混在する場合は、どちらに当たるかを曖昧にしません。
診療時間表は、診療・受付・検査・予約枠の違いが分かるようにします。記号だけで示さず、休診・担当医変更・臨時対応の説明を添えます。
医師・スタッフ・施設
医師名、担当、経歴、資格などは、事実を正式資料と照合します。資格・所属・役職は現在有効かを定期確認し、患者に過度な優位性を印象づける並べ方を避けます。
施設・設備は、患者が受診環境を理解するために掲載します。導入機器の名称だけで治療結果を示唆せず、利用目的と対象を説明します。人物・院内写真は撮影許可、個人情報、画面や書類の写り込みを確認します。
初診案内・持ち物・費用
予約の要否、受付場所、来院時刻、保険資格を確認できるもの、紹介状、服薬情報など、初診時に必要な準備を示します。制度変更があるため、持ち物の表記は定期点検します。
費用は、保険診療と自由診療を区別します。自由診療を掲載するときは、治療内容、標準的な費用、主なリスク・副作用など、広告上必要となる情報を現行ガイドラインに基づいて確認します。個々の患者の費用をサイト上で断定しません。
アクセス・予約・問い合わせ
住所、地図、最寄り駅・バス、駐車場、建物入口、階数、車いすなどのアクセスを示します。移転や入口変更があれば、地図サービスと一緒に更新します。
予約は、電話、ウェブ、紹介経由などの対象と受付時間を分けます。問い合わせフォームへ診断を求める内容や緊急症状を書き込ませないよう、フォームの目的と返信範囲を明記します。
診療科・自由診療で追加する情報
診療科が複数ある場合は、各診療科の対象、担当医、時間、受診方法を個別ページにし、共通情報を重複させすぎません。検査や専門外来で曜日・予約条件が異なる場合は、通常外来から分けます。
自由診療では、施術・治療の名称だけでなく、内容、回数・期間の考え方、標準的な費用、主なリスク・副作用、未承認の医薬品・医療機器などに関する表示が関係する場合があります。何をどこまで表示すべきかは、厚生労働省の現行資料を用いて個別に確認します。
症例写真を使う場合も、患者の同意や個人情報だけでなく、広告規制上の表示要件、撮影条件、経過、費用、リスクなどを確認します。画像だけを切り離して成果を強調しません。
予約・問診・多言語・アクセシビリティ
予約システムは、診療科、初診・再診、担当、検査・設備、受付順など、実際の運用に合わせます。予約が診療開始時刻を保証するか、仮受付かも明示します。緊急時の連絡は通常予約と分けます。
ウェブ問診で症状、既往歴、服薬などを扱う場合は、収集項目、利用目的、保存、閲覧権限、委託先、通信、端末、事故時対応を確認します。一般の問い合わせフォームを問診に流用しません。
多言語化では、診療内容、予約条件、費用、緊急案内などの重要情報を専門的に確認します。自動翻訳に任せきりにしません。アクセシビリティでは、文字拡大、色の差、キーボード操作、画像の代替テキスト、分かりやすいフォームエラーなどを確認します。
医療広告ガイドラインで確認すること
医療広告の規制は、媒体名だけで決まるものではありません。医療機関のウェブサイト、検索広告、SNS、動画、口コミに見える表示なども含め、内容と見せ方を確認します。以下は確認項目の整理であり、個別表現の適法性を判定するものではありません。
比較・誇大・体験談等の表現
虚偽、誇大、比較優良に当たる表現や、患者などの主観に基づく体験談、誤認を招く表現などを確認します。「最高」「絶対」「必ず」などの語を避けるだけでは十分ではなく、ページ全体の印象、画像、注記、リンク先も対象です。
公的・学術的な根拠があるように見せる表現、順位・満足度、著名人、口コミ、受賞なども、根拠、調査条件、広告規制上の扱いを個別に確認します。
治療内容・費用・リスク等の情報
広告可能事項や、ウェブサイトなどで限定解除の要件が関係する情報は、必要な情報が見つけやすい形で十分に掲載されているか確認します。小さな注記や別ページへ隠すのではなく、患者が治療選択の前に理解できる位置へ置きます。
治療結果には個人差があります。標準的な費用・期間・回数、主なリスク・副作用などは、実際の提供内容と一致させ、変更時にページも更新します。
掲載後の定期点検
医療広告は公開時だけでなく、診療内容、価格、医師、機器、症例、制度、ガイドラインの変更後にも確認します。ページ、広告、SNS、予約サイトで表現が異ならないよう、掲載台帳を作ります。
厚生労働省が公表するガイドライン、Q&A、事例解説書の改訂を確認し、確認日と担当者を記録します。判断が必要な表現は医療機関の責任者と専門家に確認します。
作成方法・費用・期間
小規模な案内サイトは作成ツールでも構築できますが、診療内容、医師、自由診療、予約・問診、広告確認を適切に管理できることが前提です。制作を外注しても、診療内容と広告表現の最終確認は医療機関側に必要です。
費用は、ページ数、診療科、原稿、撮影、予約・問診、多言語、アクセシビリティ、移行、保守などで変わります。初期費用だけでなく、広告確認、医師情報、価格、制度変更に伴う更新費も見込みます。
期間は原稿確認と院内承認で延びやすいため、診療内容、医師、費用、広告、個人情報、システムの各責任者を決めます。公開日から逆算して、規制確認とテストの時間を確保します。
医療機関向けの制作会社・制作者を選ぶ確認項目
医療分野の制作実績は確認材料になりますが、実績件数だけで決めません。医療機関側の確認が必要な範囲を理解し、広告表現、予約・問診、個人情報、アクセシビリティを工程へ組み込めるかを見ます。
- 診療内容・自由診療・費用・リスクの原稿を誰が作り、誰が確認するか
- 医療広告上の確認を「制作会社へ任せれば完了」と扱っていないか
- 予約・問診サービスの保存先、権限、障害時対応を説明できるか
- 高齢者や障害のある利用者を含む表示・操作をテストするか
- ドメイン、サーバー、解析、予約などの契約を医療機関が管理できるか
- 公開後の医師・診療時間・費用・制度変更を更新できるか
一般的な依頼先の比較方法はホームページ制作業者・会社の選び方で確認できます。
個人情報とセキュリティ
問い合わせ、予約、問診、採用などで扱う情報を分け、必要最小限の項目にします。利用目的、保存期間、閲覧者、委託先、削除、事故時の連絡を決めます。患者が詳しい症状を送る必要がない問い合わせには、自由記述を広く設けない方法もあります。
管理画面は個人別アカウント、多要素認証、最小権限、退職時の停止を行います。更新、バックアップ、ログ、脆弱性対応、障害時の代替受付も確認します。医療情報を扱うシステムは、一般のホームページと同じ確認だけで済ませません。
公開後の更新体制
診療時間、休診、担当医、診療内容、費用、予約条件、アクセスは、変更決定時にサイトへ反映する手順を作ります。緊急のお知らせだけでなく、基本ページそのものを更新します。
月次または四半期に、フォーム・予約、スマートフォン、リンク、医師・資格、自由診療、症例、プライバシー、セキュリティを確認します。年1回は全ページの掲載根拠と確認日を見直します。
よくある質問
医療機関のホームページは医療広告に当たりますか
ウェブサイトも内容や誘引性などにより規制対象となります。媒体名だけで判断せず、厚生労働省の現行資料と個別の掲載内容を確認しておきましょう。
患者の体験談を載せられますか
医療広告では体験談などに規制があります。患者の同意を得たかだけで掲載できるかどうかは決まりません。具体的な利用は現行ガイドラインと専門家に確認します。
予約システムは必須ですか
必須ではありません。電話などの運用で十分な場合もあります。患者の利便性と院内業務、個人情報、安全性を比較して決めます。
制作会社へ任せれば広告確認も不要ですか
不要にはなりません。制作会社が整理を支援しても、実際の診療・価格・体制との一致と、広告規制上の最終確認が必要です。
参考情報
- 厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」(確認日:2026-07-14)
- 厚生労働省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」(確認日:2026-07-14)
- 個人情報保護委員会「個人情報保護法ガイドライン(通則編)」(確認日:2026-07-14)